クラブ通信

2011年6月 例会

例会案内

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演奏 加藤 福雄さん

梅雨本番を迎えた6月15日、当月の例会が開催されました。最初に大脇会長から、ご自身の会社で使用しているオリジナルキャラクターが他社に無断使用された、という現在係争中の事例を挙げられ、あらためて商標登録の認識の大切さについてのお話をいただきました。
続いて、紹介者である金子慶太郎さんから講演者のプロフィールが紹介された後、作家・西尾典祐さんによる、テーマ「城山三郎」についてのスピーチが始まりました。
初めに、西尾さんは、ご自身が平成20年3月まで副館長として勤めておられた「文化のみち二葉館」に、城山三郎が名古屋市に寄贈した資料・蔵書が、管理されていたという環境の下、城山三郎に関する本をお書きになられた、というご説明の後、城山作品全体の総論を述べられました。
世の小説のテーマのほとんどが「男と女」を取りあげられている中で、城山作品のテーマは「仕事・職業」。ダイエーの中内さんをモデルとした「価格破壊」、通産省の内幕を描いた「官僚たちの夏」など、仕事を通した登場人物の動き・組織の動向を、その社会背景とともに書き下ろされていることを強調されました。生涯110の作品を残しているが、それらの作品を読めば「昭和」という時代の社会のシステム、制度が見えてくる。井原西鶴・松尾芭蕉・近松門左衛門らの文献から、「江戸」という時代を知り得るように、「昭和」の時代を後世に伝えるには、城山作品は大変有効である。
また、城山三郎の生い立ち・経歴についても触れられました。
城山三郎こと本名・杉浦英一は、昭和2年8月18日現在の名古屋市中区錦3−14−10に出生。市立名古屋商業学校(現:市立名古屋商業高校)、県立工業専門学校(現:名古屋工業大学)に進み、理工系学生のため徴兵猶予になるも日本帝国海軍に志願入隊。訓練中に終戦を迎え、その後昭和21年東京産業大学(現:一橋大学)に入学する。寮生活を送る中、寝る暇も惜しんで読書に耽っていたため、寮の火災に気づかず、危うく命を落としそうになった経験があり、その当時に出会った英文学者「小林歳雄」に、大きな影響を受た。脊椎損傷で寝たきりであった小林の、「行動力は有限だが、思考力・想像力は無限である」という考えを通して精神力の強さを学び、それが、城山の作品の登場人物がいかなる困難な状況であっても絶望しない、という起源となっている。
卒業後は、城山の父親が病気になったこともあり帰郷し、岡崎市にある現在の愛知教育大学の助手に就任。昭和32年商社マンを描いた「輸出」が第4回文学界新人賞に入選し、文壇デビューを果たす。その年の〔3〕月に、名古屋市千種区の〔城山〕八幡宮のそばに引越した事から、ペンネームを「城山三郎」としている。翌年の昭和34年「総会屋錦城」で第40回直木賞、「落日燃ゆ」で吉川英治文学賞などを受賞している。平成19年3月22日肺炎のため79歳で死去。
今回講師の西尾さんは、本来ならば1週間程度に亘る連続講演でお話されている「城山三郎」に関するお話を、大変短い時間に凝縮して、楽しくお話いただきました。
続いての懇親会では、大37期の村井雅彦さんが、3月11日に起こった東日本大震災当日の東京の様子、そしてその後の苦労などをお話された後、声高らかに乾杯の発声をされました。歓談の後、恒例となりました大19期太田直さんのリードによる学生歌斉唱でお開きとなりました。

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